Drift Diary XV

サントリー美術館:ガレとジャポニスム ~ Gale and Japonisme ~

Posted by drikin on 2008年5月11日 20:25

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[From 開催中の展覧会 展覧会 サントリー美術館 サントリー]
19世紀後半、海を越えヨーロッパに渡った日本の美術品は、ジャポニスムと呼ばれるブームを巻き起こしました。日本の美は、その土地の美術や文化に取り入れられ、絵画、彫刻、陶磁器、ガラス、そして建築など、多様なジャンルに影響を及ぼしました。フランス・アール・ヌーヴォー期を代表する芸術家エミール・ガレ(1846-1904)は、そんな時代に、ナンシーでガラスと陶器の創作活動を開始したのです。ガレが手がけたガラス、陶器、そして家具には、さまざまな形で日本美術との結びつきが見受けられます。多くの芸術家たちがそうだったように、彼もまた、当初は表面的なモチーフの転用から出発しました。しかし、ガレに与えた影響は、日本の美意識への理解が深まるとともに次第に深化しつつ、彼独自の芸術性を確立する上で、重要な一端を担うことになったのです。その姿は、当時の批評家をして「ナンシーで日本人として生まれた運命のいたずらを、祝福してあげようではないか。」と言わしめるほどでした。
本展では、ガレにみられるジャポニスムの変遷を、国内外のガレ作品他、約140件の作品で紹介する試みです。また、30年余にわたるガレの名品を見ることによって、ものの真髄を赤裸々なまでに表現する、ガレ芸術の醍醐味を味わっていただければ幸いです。

サントリー美術館で開催していたガレとジャポニスム。最終日に見てきました。ガレと言えば、キノコのランプ というくらいの知識しかなかったのですが、こんなにも日本の影響を受けていたという事が知れて面白かった。改めて思ったのは、芸術(だけじゃなくあらゆる物事)は模写を重ねて進化しているということ。ガレは、日本や、さまざまな芸術を模写しているわけですが、もちろんこれは、コピーではないわけで、現代のパテント論争や、著作権問題の前進に向けて、模写と機械的なコピーの違いをもっと真剣に考え、自分には、何が出来るだろうかと考える機会を与えてくれました。

サントリー美術館は、前回、鳥獣戯画展と合わせて、二回目ですが、スペースは小さいながらも、密度の濃い良質な美術館だなぁと感心しました。展示も、僕のような素人にもわかりやすく、模写のオリジナルとガレの作品が上手く並べられていたり、年代別の作品のグルーピングも良かったです。

最終日ということもあってか、凄い混雑してたので、やっぱり狙い目は平日ですかね。てか、絶賛したブログを書いても、最終日に紹介しても行けないわけだし、次回からは、もうすこし早めに行こうと思いましたw

蓋付杯《アモールは黒い蝶を追う》

ちなみに、個人的に気に入ったのは「アモールは黒い蝶を追う」。黒色ガラスシリーズは、死や、生命のはかなさなど、 悲しみのテーマを表現してるのですが、単に暗く重いだけではない前向きなパワーを感じるシリーズという印象を受けました。
(しかしこの写真と実物は全然雰囲気が違いますね。ぜひ実物を見て欲しいです)

光の魔術師―エミール・ガレ (Shotor Museum)
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