Drift Diary XV

i文庫HDとiBook

Posted by drikin on 2010年5月 9日 20:50
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日本のiPadフライングゲットしたユーザーの一部(ってかなり局所的ですがw)では、iPadの予約開始より、待ちこがれていた、i文庫HDが、遂にリリースされました。i文庫HDの素晴らしさは、公式サイトの動画を見ていただくのが早いですが、自分なりに使ってみた印象とiBookとの比較などを少し書いておこうと思います。

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まず、i文庫HD自体の出来の良さは、前評判通り、すごく完成度が高いです。現状、最強のブックリーダーだと思います。iBookに引けを取らないページめくりのGUIや、iBook以上のパフォーマンスは、すばらしいの一言。僕にとって、ブックリーダーで一番重要なのは、いかに快適にScanSnapでスキャンした書籍を読めるか。i文庫HDは、青空文庫だけでなく、PDFや、ZIP圧縮された、連番Jpegなどに対応しているので、自作スキャン文庫の閲覧にも最適です。きっと開発者の方も、ここら辺の日本の出版事情などもよく理解して、開発してくれたんだと想像します。

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さらに、ここのところ、eBookにハマって、ソニー製、Kindle併せて、3台のeBook端末を使ってきた経験上、特に、既存の書籍をそのまま、スキャンして、電子化した場合の見開き閲覧の重要性を痛感してました。少なくとも、従来の紙の書籍は、見開きを前提に編集されていて、特に、漫画や、雑誌では、上の写真のような、見開きページのレイアウトはよく使われます。また、これは、単なる、過去の経験からくる慣れなのかもしれませんが、本を単ページで読むのと、見開きで読むのは、何か、快適度や、読みやすさが違う気がします。うまく表現できないんですが、何となく視界に、次のページが、見えてる感が重要というか、、、さらに、iBookを最初に見たときに感動したのが、ページめくりのアニメーション。このアニメーションも、単なる賑やかしに留まらない、次のページをちら見できることによる、効果みたいなものがある気がします。

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では、ちょっとi文庫HDとiBookを比較してみようと思います。↑の二枚の写真は、上がi文庫HD、下がiBookで、スティーブ・ジョブズ神の策略をScanSnapでPDF化し、iBookはさらにePub化して、取込んで、表示させたものです。iBookの方のスクリーンショットが、見開きなのに片ページが空白なのは、、僕のePubスキルが足りず、iBook用のePub化したときに、1ページ毎に空白ページが挿入されてしまっている為です。iPad購入当初、iBookの本棚に、自分のPDF書籍を並べたくて、ちょっとePub化を頑張ったんですが、iBookに致命的な問題を発見して、それ以降、あまり努力していなかったので、中途半端なePub化に留まってますw

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致命的な問題について、↑のiBookの画面だけだと、ちょっとわかり辛いかも知れませんが、そもそも、iBookは現状、右開きに対応してないのです!!最初これに気付いたときの、衝撃と、ガッカリ感は大きく、日本の場合、当面iBookの電子書籍販売は、当分無いなぁと諦めモードになったくらいです。(それでも、日本発売と同時にソフトウェアアップデートで右開きや、iBookの日本対応があって欲しいと期待してるのですが。。。)そして、UIに凝るあまり、肝心のコンテンツの表示領域が、狭くなってしまいます。これは、予め、電子化を想定したコンテンツの場合、あまり問題がないのですが、既存のスキャンコンテンツの場合、見開き時に、出来る限り表示領域を拡大したいので、問題になってきます。

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その点、i文庫HDは、これらの問題に、ちゃんと対応していて問題ありません。また、↑のガンダムのような、書き込まれた系の漫画、さらには、カラーページなど、既存のeBookデバイスでは、最適化しても、見づらかったコンテンツが、すばらしく綺麗に閲覧することが出来ます。この時点で、既存のeBookデバイスの将来は厳しい感じです。:-(

ということで、i文庫HDがいかに良く出来てるかを熱く語った見たんですがw、いくつか、まだ困ったこともあるので、将来の改善を期待して、現状の改善点・問題点の話に移ります。

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まず、書籍棚の見た目ですが、↑の写真、上がi文庫HD。下がiBookです。i文庫HDでは、書籍のサムネールを作成するのに、PDFなどのコンテンツファイルとは別に、サムネール用の画像を用意して、iPadのアルバムに取り込み、手動でサムネールを設定しないと行けません。iBookでは、ePub化した時点で、サムネール情報を埋め込めるので、コンテンツのファイルを取込めば、ちゃんと、書籍にそれっぽく、並んでくれます。PDFの任意と言わなくても、最初のページを自動でサムネール化してくれたら、どんなに本棚が楽しくなるかと思うと、ぜひ自動サムネールに対応して欲しいです。

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次に、見開き時の閲覧性ですが、↑の二枚の写真は、ともに、i文庫HDで表示したコンテンツですが、上が、ScanSnapで、スキャンしたオリジナルファイル。下が、そのPDFをeBooktizeを使って、1024x768(iPadの液晶解像度)に最適化したものです。画像をクリックして、オリジナルサイズを見てもらうとわかるかもしれませんが、オリジナルのPDFだと、かなり文字のクオリティが落ちます。縮小時の影響だと思うのですが、MacのPDFの性能からすると、ちょっと劣化し過ぎなきもします。同様に、冒頭のTwitter特集記事なども、さすがに見開きだと、閲覧が厳しいです。

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上がオリジナル、下が最適化(というほど、最適化ではなく、とりあえずiPadの画面解像度に縮小してるだけ)です。MacPeopleだと最適化しても、若干、拡大しないと読めない感じです。気になるのは、縦置きで単ページモードにすると、オリジナルでも、かなり綺麗に表示されます。拡大率は違いますが、それなりに、単ページ状態でも、縮小かかるので、見開きモードの縮小時に、単なる縮小以上の劣化が起きてる気がします。不思議なのは、ガンダムの場合、最適化するより、オリジナルのほうが綺麗に見えるし、縮小の影響もほとんど感じられないので、ScanSnapの取り込み設定で、かなり変わってくる可能性もあるのですが、ここら辺は、もう少し試行錯誤が必要そうです。

最後に、一番困るっているのが安定度。これは、あまりiPadネタ界隈で話題になってない感じですが、i文庫HDだけではなく、現状iPad全般的に言える問題でもあるのですが、結構さくさく落ちます。特に、僕の環境だとOCRしたテキストを含むScanSnapのPDFだと、数ページめくると、必ず落ちます。(安定化させる意味で、ebooktizeの最適化が有効)

ここ数ヶ月iPhone使わずに、Androidデバイスメインで、生活してたので、忘れかけてたのですが、やはりiPhone/iPadプラットフォームのアプリの不安定さは、よろしくないですね。Safariとかも、結構落ちます。Flashなどを排除して、アプリのクオリティを上げることを優先すると主張する、もっと安定度を向上に注力して欲しいです。

ふぅ、久々の長文疲れたw

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追記1)

ファイルの転送は、iTunes経由か、FTP経由です。ぼくは、i文庫HDが決定打になって、Transmit 4を購入しました。(Transmit 4のFTP転送早いので)。またDesire for wealthさん情報のi文庫HDが決定的すぎてやばい & フォルダごとUSB転送する裏技もかなり便利です。大量転送なら、これがベストですかね。

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