Drift Diary XV

iPad版マガストアを使ってみて思った事

Posted by drikin on 2010年5月29日 18:07
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やっと日本でもiPadが発売され、日本版AppStoreも開店し、すでにマガジン系のアプリもいくつか登場している中。現状は最王手(?)と思われるマガストアでMacFanを買ってみました。その時思った電子書籍についての感想などをつらつらと書いておきます。

とりあえず一番致命的だと思ったのはアプリの安定度。"ちょっと読む"機能で本当にちょっと読んでるだけでサックリ落ちます。この時点で、不安を覚えて購入をメチャクチャためらいました。 更に"ちょっと読む"機能がカバーフロー的なインターフェースで、頑張って実装した感 は伝わってきますがちょっと読む感 は薄い。これ、数ページをフルに読む事ができる訳ではなくカバーフロー状態で全ページ読めるという機能なんですよね。確かにそう言われてみると"サンプルを読む"ではなく"ちょっと読む"は納得なんですけどねw

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全体的にみて、カバーフローを実装して満足したというか力尽きたというか 、ブックリーダーとしての完成度のバランスが悪いのが気になります。

iBookみたいにページ送りのアニメーションが凝ってないとか、ページ送り方向がわからないとか、問題だけど実は致命的なのはそこではない気がすます。実際、使い勝手は慣れの要素が大きいし、マガストアでは一度データをダウンロードしちゃえば、サクサク拡大縮小しながら読書出来るし、最初の読み込みの遅さも書籍データをストリーミングで都度ネットから読み込みながら表示してるので、他のブックリーダーアプリに比べてパフォーマンスが悪いように感じるけど、実は購入したらダウンロード待たずにすぐに読み始められるメリットもあります。パフォーマンスも実用ギリギリという感じ。

それより問題なのは、読書中にアプリ終了して再度アプリ起動したら本当に直前読んでた位置しか憶えてなくて、書籍単位での読書状態は自分でしおり管理しないといけないとか、iPadの回転を横向きでロックしておいても、起動し直すと必ず縦向きに戻されて一旦ロック解除して横向きに戻さないといけないとか、更にいうとマガストアの起動直後トップページの本棚では12冊固定しか表示されなくて、スクロールも出来ないしそれ以上探すとなると基本リスト表示から探さないといけないとか、アプリ作り込んでプラットフォーム化しようとしてる割には、そこら辺、最低限必要なアプリの機能の作り込みが弱い方が気になる。

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電子書籍出版について、中島聡さんも書かれてますが、アプリ作り込んでコンテンツを囲い込むなという話以前に、そもそもプラットフォームを維持するって並大抵な話ではなくて、マガストアが本当に最後までプラットフォームを維持してくれるのか/出来るのかという方が心配になります。Amazon(Kindle)くらいの実績がないと安心が出来ない。

実際マガストアで買った書籍が一生とは言わないまでも、10年後もちゃんと読めるかと思うと、そんな気がしないので、おいそれと書籍を購入出来ないです。まぁ、雑誌程度ならと割り切ればいいのかもだけど、、、

コンテンツとプラットフォームを切り離して、オープンにしておいた方が、ビューアとしてのアプリの作り込みや完成度、プラットフォーム維持などの努力から解放されるし、長期的に見れば結果的にユーザーにとってもコンテンツ提供者にとってもメリットがあると思うので、早くコンテンツ提供側が囲い込みビジネスの問題点に気づいて、オープンにしてくれる事を願いたいです。

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ちなみに楽天の雑誌チラよみアプリも試してみたけど、これもみるからにマガストアと同じYAPPAのフレームワークでアプリを作り込んでるみたいだけど、微妙にアプリがカスタマイズされていて、そういうのとかも見てると本当に最後までYAPPAはアプリをメンテナンスし続けてくれるのかなぁと不安が募るばかりです。。。

とはいえiPadに全く興味を示さなかった@kurobozuが、マガストアで自分の読みたい雑誌が提供された瞬間にiPadに魅せられてる姿を見ると、結局最後はコンテンツの魅力に尽きることを改めて実感しますね。

Posted from my iPad.
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