iPad用サードパーティブラウザiLunascape/Sleipnirレビュー #iLunascape #Sleipnir #iPad
今でこそタブ機能と言えばブラウザ標準の機能として認識されてますが何気にこのタブブラウザ文化を作り上げたのは日本人で、その先駆けといえばLunascapeとSleipnir。この二つのブラウザが競い合うようにしてタブブラウザ機能を磨き上げてきた事はもっと評価されてもいいと思うのですが、、、
というウンチクはひとまずとして、先日この二つのブラウザが同時期にiPad用のブラウザとしてバージョンアップされました。
正直iOSにおけるサードパーティによるブラウザアプリはWebViewや、iOS自体の制約が多くて厳しいし、iOS4.3から導入されたNitroと呼ばれるJITを利用した高速なJavaScriptエンジンはSafariやApple純正のアプリケーションでしか有効にならずに、UIWebViewを利用したサードパーティアプリは従来の2倍遅いJavaScriptエンジンを使う事を余儀なくされているので更に厳しい状況で、結局Safariを置き換えるに至らないというのが結論だと思ってました。
その一方でiPadの利用率が高まれば高まるほどSafariのタブブラウザや全般的な操作性の悪さが耐え難くなってきているのも事実で試しに両方のブラウザをダウンロードしてみるとなかなかどうして良くできてるので、感動した勢いでヨガ終了後のお気に入りのカフェからiPad2でこの記事を書いてます。
どちらもiPadらしいタブブラウザの使い勝手を追求するという点では目的が同じに見えますが、それぞれアプローチはとなっていて、どちらにも利点がありこれまた切磋琢磨している感じが素晴らしいです。
あくまでもファーストインプレッションですが、それぞれのアプリに感じた特徴などをメモしておきます。
iLunascapeの特徴
iLunascapeはシンプルな見た目で実用主義という感じ。上下にツールバーが配置されてますがバーの配置からしてよく考えられています。戻る進むが右下にあるのは実際iPadではここが一番操作しやすいしタブの操作も同様にアクセスしやすいです。
またこれはSafariとSleipnir両方に言える不満ですが、上アドレスバー下にもう一段ブックマークバーを配置すると非常にタップし辛いです。Safariのブックマークバーなどは、一発でタップできるとの方が珍しくいつもイライラさせられてますがiLunascapeはこの問題が解消されてます。
また見てるページをtweet/Facebookする機能や見てる画面をキャプチャーする機能などソーシャルメディア連携に力をいれてる感じがします。
ただ、画面キャプチャーに関しては、ちょっと残念だったのはあくまでも今見えてる範囲しかキャプチャーしてくれない事。iOSの場合簡単にスクリーンショットが撮れるのでこれだとあまり機能差が無い感じ。スクロールアウトされてる部分も含めてwebページ全体もキャプチャーできたらスゴイ便利な機能になると思うので今後機能向上を期待したいです。
またページの読み込みに関しては、中間のレンダリングをカットして一気に最終結果を表示してスピードをあげてるような気がします。(実装知らないのであくまでも予想ですが)
なので出だしは一瞬遅い気がしますがワンテンポ遅れてレンダリング結果がズバッとできます。SafariやSleipnirは最終的な読み込みスピードを遅くしてもできるだけ早めに何かしら絵を表示して徐々にレンダリングしていくので、ここら辺は好みが別れるところですが、ズバッと感はなかなか気持ちいいです。
あとここはまだあまり恩恵を受けてないですが裏面タブも常に動作していて同時に複数タブを操作できるようです。iOSなどリソースが限られてる環境では前面タブだけ動作してるほうが裏で気づかずバッテリーを消費されたりしなくて良いような気もしますが、ここら辺はもう少し使って見ないと判断付きかねる感じです。
Sleipnirの特徴
一方のSleipnirはかなり見た目も凝ってます。iLunasucapeは基本ボタンベースのUIですが、Sleipnirはジェスチャーや、iOSらしいビジュアルエフェクトも多用してます。特にタブをスワイプで切り替えられる操作はなんで純正Safariに搭載されないのかが不思議なほど自然に操作できて快適です。また画面下部にビジュアライズされたタブが表示されてるのもわかりやすい。前述したように上ツールバーが二段になっていてブックマーク系の操作がSafari同様に誤操作し易いのはマイナスポイント。
あと、ブックマークとかリボンとかタブグループとか、かなり豊富にブックマーク管理する方法が用意されてますがまだ全ての機能を理解できてませんw PCブラウザ並に多機能な感じですが、今のところ最低限のブックマークで満足してるので全機能を使いこなせるかは疑問です。
パフォーマンスに関してはこちらも何かしら仕掛けがあるのかなぁ。ページ読み込み時の初速はかなり速い感じで体感的にも快速感があります。その影響かわかりませんがたまにリダイレクトエラーが出たり複数タブが開いたりとちょっと不思議な現象も見受けられた。
(と思ったけど複数タブが意図せず開くのはピンを立てておくとそのページのリンクは全ての新規タブで開くという仕様のようです。使いこなせばこの機能も便利そう)
タブ周りはSleipnirが一歩リードしてる感じ。
まとめ
現状どっちがいいかというとなかなか優劣が付け難いものがあります。個人的には多機能さは今の所求めてませんがタブ切り替えのジェスチャーは欲しかったのでSleipnirが一歩リードという感じです。iLunascapeがWeb全画面スクリーンキャプチャーに対応したらそれだけでも利用価値が上がりそうな感じ。
あと不思議なのはどちらのブラウザにも戻る進むやリロードにジェスチャーが割り当てられてません。二本指or三本指スワイプで戻る進むが操作できるのはMagic Trackpadと同じだし標準で実装されても良いんじゃ無いかと思うんですが、どちらも実装してないという事は技術的に難しい所があるのかな?ここは熱望したい所です。
あとChromeとブックマーク同期してくれたら神だなぁ。
とりあえずカフェでちょこっと使って見た程度(の割りにゴタク並べてますが汗)なのでSafari置き換えになるのか、もうしばらくいろいろ試して見よう思います。
おまけ JavaScriptパフォーマンス比較
iPad2くらいのパフォーマンスがあると実はJITの有無によるパフォーマンス差も許容できる程度に十分パフォーマンスが得られるので使い勝手重視のサードパーティブラウザもありという気がしてきたのですが、一応定番のJavaScriptベンチマークテストSun SpiderでSafari、iLunascape、Sleipnirそれぞれのベンチマークを取って見たのが上の結果。
案の定というか当たり前というかiLunascapeとSleipnirの結果は誤差範囲の違いにとどまってますが、Safariはうたい文句通り二倍速い結果に。ベンチマーク中の動作とか見てると明らかにSafariの速さが感じられますが、普段のブラウジングにそこまでの差は感じられないかなぁ。
あとはシステムのデフォルトブラウザを変えられる機能を提供して標準で開くブラウザを変えられると良いんだけどなぁ。
Safariにあまりやる気を感じられないしiOSはこの機能を提供すべき。
iLunascape for iPadをiTunesでチェック
Sleipnir MobileをiTunesでチェック
Posted from dPad on my iPad