Drift Diary XV

El Capitanの日本語入力が素晴らしく進化している件について

Posted by drikin on 2015年6月10日 20:46

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WWDC2015でOSXの進化が再始動したような印象を受けて喜んでいたのですが、とはいえインストールはPublic betaが出てからでいいかなとDeveloper betaをスルーしようとしていたら、ライターの西田宗千佳さんから「El Capitanの新日本語入力、めっちゃドリキンさん好みになってますよ!」とメッセージをいただき、それはいち早く試さなければいけないなと速攻Developer betaをインストールしてみました。

しかしWin10TPにしてもOSX betaにしても今時のbeta版OSインストールは本当に楽になりましたね。beta登録サイトにログインしてbetaダウンロードリンクをクリックすれば、あとはストアから自動でアップデートしてくれるとか、学生時代からOSは常にbetaに突入するというbetaマニアだった時代を思い出すと、よくもまぁ毎回毎回クリーンインストールしたり環境構築しなおしたり、どんだけゆとりがあったんだと遠い目になってしまいます。

でもって、この文章は早速El Capitanの新しい日本語入力と新しくなったNotesアプリを使って書いてます。

まだインストールしていきなり勢いでこの文章を書いている程度での感想なので、完全なファーストインプレッションですがこれは日本のコンピュータ歴史の中では、偉大な一歩として記録されるべき進化じゃないかなぁ。

英語圏の人と日本語圏の人のコンピューターの使い熟しというか、リテラシーの違いを考えた時に、どこまでいっても日本語圏の人が英語圏の人に比べてコンピュータを使いこなすのに不利だよなぁと思っている大きな理由の一つはやっぱり日本語入力の問題だと思ってるんです。

たとえばローマ字入力の場合、ローマ字入力→ひらがな変換→漢字入力みたいな3ステップでようやくちゃんとした日本語が入力できるわけです。最近backspace.fmでも @shiology 先生に親指シフトの話をしていただいて、かなり話題になりましたが、親指シフト入力をもってしても、ひらがな漢字変換は避けられない。一方英語入力にはそもそも変換なんて概念はなく、キーボードから直接英語を入力することができます。

こんな複雑な変換システムを使っている限り、コンピュータの敷居はなかなか下げることができないですよね。

とはいえ、このスペースキーでひらがなを漢字に変換するという日本語入力システムはコンピュータの黎明期からほとんど進化せずに今に至っています。

コンピューターやOSは常に進化を続けていても、日本語入力プログラムに関してはどこまでも日本語圏に限定されるため開発リソースは限られます。どんなに頑張っても日本語入力をする人にしか恩恵が預かれないとなると、企業としてもなかなか投資できないという事情も容易に理解できます。

最近はWin10推しでかなりWin10が気に入ってますが、それでも日本語入力に関しては期待できないというか、やっぱりあまりリソースは割けられてないなぁという印象しかありません。

そんな中、Appleは遂にやってくれましたよ!日本語入力の概念を一つ上の段階に引き上げるようなプログラムの進化をさせようとしてくれています。

El Capitanに搭載されている日本語入力ではライブ変換機能が実装されていて、これを有効にしていると*キーボードでひらがな日本語文章を入力していく側からリアルタイムに漢字変換を行ってくれます。 *

これだけ聞くと、従来の日本語入力プログラムでも、句読点などで自動変換してくれる変換機能があったじゃないかと思われると思いますが、El Capitanの日本語入力はリアルタイムなんです。キーを一つ一つ叩く側からどんどん文章が漢字仮名交じりの日本語に変換されていきます。あたかもダイレクトに英語を入力している感覚に近いです。

リアルタイムなので、文字入力を続ける度に漢字候補が入れ替わっていきます。慣れないと入力中にわけのわからない漢字が表示されることがありちょっと違和感がありますが、ここまで日本語入力した時点で僕はもうほとんど気にならなくなりました。

それ以上に、ダイレクトに日本語が入力できている喜びに感激してます。

その証拠に最近すっかりブログの更新が滞ってる僕が勢いでこれだけの文章を書いてしまいましたよw

このシステムの問題点というか課題は、スペースによる手動変換を完璧に排除するためには完璧な漢字変換が求められるということです。現状だーーーっと日本語を入力していくと、誤変換のまま漢字が確定してしまうことがたまにあります。

と言ってもリアルタイムで文節区切りを最適化し、前後の文脈を理解しつつ変換してる様子で変換効率は驚異的に高いのですが。

最初のリリースで、しかもまだDeveloper betaの段階でこの変換精度はかなり完成度が高く十分実用的だと思います。今後ますます進化していくことを考えると期待しちゃうなぁ。

ということで興奮冷めやらぬまま乱文を書きなぐってしまいました。汗

このAppleの一手に反応してATOKやMSIMEとかその他の日本語入力プログラムも追いつけ追い越せで進化が加速すると考えるとますます夢広がりますね。

P.S.

ちなみにATOKでも自動変換という機能はちょっと前からあって、これもある程度日本語を入力していくと自動的に漢字変換を開始してくれるのですが、変換の立ち上がりが遅いというか、かなりひらがなを入力してから、もしくは句読点を入力するとおもむろに変換が発火する感じなので、ちょっと感覚が違うんですよね。

El Capitanの変換は文字通りリアルタイム変換なんです。ATOK的にはあまり早い段階から自動変換を始めると、中間状態の誤変換が目障りだし、文節の解析頻度も高く処理負荷が高くなるので、ある程度バッファリングしてから変換を開始した方がよいという判断で今のような実装になってるんじゃないかなぁと勝手な想像をしてますが、それ自体は一つの正しい設計な気がしますが、リアルタイム変換はそれ以上にダイレクトに日本語を入力している感覚が得られるのが大きな違いなんじゃないかなぁ。

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