AmazonのKindle Fireを衝動買いした理由
本日Amazonから発表された新しいKindleシリーズの中で、IPSのカラー液晶を搭載して、Androidベースで作られた一番ハイスペックなシリーズKindle Fireを衝動買いしてしまいました。
とりあえず、いろいろ思うことなり、(特にブラウザ周りで)検証したいことが多々あり、まともに調査してからブログ書こうと思うといつになるかわからない→そのうち面倒になって書かなくなる事が確実に予想されるので、例によって勢いで思ったことを書き記しておこうと思います。
そもそもほとんどスペックも調べずに購入に至ったのですが、その理由は
- $199という値段
- 7インチというサイズ
- IPS(iPadと同じ方式)液晶
- クラウドベースのAmazon Silkブラウザ
- 汎用性を削って作りこんだAndroidデバイス(しかも2.xベース)
- Android Tabletで唯一成功するデバイスになりそう
2番目以降の理由に1.の$199という値段が十分すぎると思えたので、他は細かいことを調べなくても、最低限、技術的興味本位は満たされて十分元が取れるくらいは遊べるだろうということで購入に至りました。
ちなみに3Gが無いことは個人的には全く気にしてません。というのも僕にはVerizon MiFi 4Gという強い味方がいて、既にMiFiにWiFi機器をぶら下げるというスタイルに慣れているし、3Gのスピードにはもう満足できないからですw
個別に理由を補足すると、
理由2については、最近は7インチのiPadが欲しいと強く思っていて、その理由は、やっぱり10インチは常に持ち運ぶのにはデカすぎて携帯がわりにはちょっと辛いけど、(自分なら)7インチサイズで本当にスマートフォンなし、iPadだけで生きて行けるんじゃないかと真剣に考えていていたから。
日頃7インチ感を試したいと思っていたので、そういう意味でも、Kindle Fireが絶妙に僕のツボをついてきてました。
理由3については、Chromebookなどで液晶の品質の重要性を痛感したこともあり、iPadと同じIPS方式なら、iPad相当の液晶品質は期待できると思ったから。
理由4については、一応ブラウザ屋さんとしては、このクラウドを活用したブラウザの実用性とかパフォーマンスをいち早く体感してみたいという技術的興味と、実際にうまく動けばかなり実用的にブラウザが使えるという予測をしてます。ブラウザについては、もうちょっと後で後述します。
理由5については、Androidだからカスタムファームウェアでなんでもやり放題できるとか、拡張性が期待できるとかいう理由ではなく、むしろ逆に、Amazon(Kindle)チームがどのようにAndroidを作り込み調理したのか、興味深いからです。
理由6は理由5と関連してますが、そもそもAndroid Tabletは上手く行かない(少なくともiPadの対抗には成り得ない)と常々主張してましたが、Kindle Fireのやり方は唯一成功しそうなAndroid Tabletだなと思えるからです。
従来の、Androidデバイスにありがちな、Androidなら個別の作り込みをしなくても最低限ブラウザや、メディアプレイヤーの一通りの機能が保証され、更にその上で頑張って、むりくり独自の作りこみをしましょう的なアプローチは、混沌を生むだけでうまく行かない中で、自分たちに必要のない機能や、必要でも性能が足りないものは置き換えて、自分たちの実現したいユーザー体験に特化したデバイスの作りこみをしようという姿勢に大きな共感を覚えると共に、そのAmazonの成果をいち早く見てみたいという興味です。
ブラウザについてもう少し意見を述べておくと
Androidが厳しいと思う理由の一つはブラウザが弱すぎることです。
AndroidもGoogle ChromeやSafariと同じWebKitベースエンジンを利用してますが、Chromeを開発している同じGoogleが開発しているとは思えない実装になっていて、パフォーマンスや、そもそものコンテンツ互換性も悪いこと。
ここら辺をしっかり理解して、独自のブラウザを載せてくる辺りは、Amazon抜かり無しという感じ。
ちなみにこのAmazon Silkの説明を聞いたときに思い出したのが、SkyFireとPuffinというこちらもクラウド側でレンダリングを行なってクライアントに結果を返すタイプのブラウザの存在でした。
両者のブラウザは既にiOSや、Android版がリリースされていて、以前FacebookゲームにハマっていたときにPuffinについてはブログしたこともありますが、FBゲームに飽きて以降あまり使わなくなっていたので、久々に両者を最新版にアップデートして使ってみると、どちらも着実に進化してて目から鱗。少なくともAndroidではデフォルトのブラウザ替わりに使ったほうが快適なレベルですし、iPadでもメインブラウザとして利用しようと思うレベル。
また、どちらも具体的なアルゴリズムの解説までは見つけられなかったので、あくまでも推測ですが、SkyFireとPuffin両者ともそれぞれに特徴があって、甲乙つけ難い感じです。
ここは、ヤル気が続けばw後日もうちょっと詳しく調査したいですが、、、
SkyFireは完全にクラウド側でレンダリングして、その結果画像を送ってるわけではなく、フォントなどは、クライアント側で実際にレンダリングしてる様子。その証拠に、文字選択の動作などが完全に動作しますし、コンテンツを拡大縮小してもフォントが綺麗です。また、負荷がサーバーとクライアントに分散してて、それなりにクライアントのCPUやメモリリソースも活用してる感じです。
逆にPuffinは、基本的にはサーバーでレンダリングしてその結果を画像としてクライアントに返してるので、レンダリングスピードはサーバー側の処理能力に依存していて、クライアントは画像を表示するだけなので、文字選択できないし、拡大すると文字はジャギーが目立って汚くなります。ただし、体感のパフォーマンスではPuffinの方が高いです。V8のベンチマークなどを試しても、SkyFireと標準のブラウザでは同じくらいの処理能力の結果が出ますが、Puffinだけ数倍早い結果が出ます。
現状ではどちらも一長一短がありますが、標準ブラウザの置き換えという観点だとSkyFireの方が性能は一歩リードしてる感じですかね。
ともあれ、どちらも十二分に実用的なので、Amazon Silkの性能と実用性にはかなり期待が持てます。
ちなみに、Kindle Fireに関しては、年末商戦にあわせて急いで出したという噂もあって、比較的早い段階で二世代目が登場するという話も出たりしてます。まぁ、数カ月後に新製品が出ても、$199分は十分楽しめる気がしますがw
長文のお付き合いありがとうございました。
Skyfire Web Browser ブラウザ - Skyfire Labs, Inc.
Puffin Web Browser - CloudMosa, Inc.